甲田四郎詩集『送信』抄
『送信』目次

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ラーメン屋B いつかウチは出前はしないと断った
天丼屋 閉店
立ち食いソバ屋 立って食うのはイヤだ
牛丼屋 並二七〇円
名ばかり課長が自殺して
残業手当のない残業が多すぎたからだと
遺族が裁判を起こしたのを思い出す

最近行かない弁当屋
替わった名前がまた替わっていた
サンマのみそカツ弁当四〇〇円
四分お待ちいただけますか?
ウン、めしは少なくして(五〇円安くなる)
黄泉のごとく暗い所で箸を使う
うまいや、拾いものじやないか
公園の女もこれ食ってたのかも
うまいと思ったが顔に出さなかったのかも
独り言でいいから
うまいと思ったらうまいと言え彼女
一切れ箸から落としてしまった、しまった
誰も見てないから拾って食っちゃった
公園では拾えないだろうな