作品七掛二 1/9

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作品七掛二




 人でなしの唄



大盛りの野菜サラダを
一心に噛んでいると
植物園でまどろむ
孤独な生き物になれる
家畜の唄ではないようだが
牧神の午後が流れている



 触れることのいくつか


見ているのだが
見るのではない
言葉とは知らずに
つぶやく
花とは知らずに
花の色に
消えたものを知らずに
花にふれるので
わたくしたちは
唯一の真実として
春の花壇の前にいるのです
知らずにあなたに
あなたは知らずにわたしに
思い出すこととは知らずに今に
今とは知らずに思い出すことに