舟 1/3

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雨に濡れた敷石の上に
ふっと影がゆれて
自分も世界も失って
いやとうに失っていることを
思い出す、その思考の成り立ちだけが
放置されたパソコンの
ごみ捨場と机の
夜の青いディスプレーの場所
動いて、けいれんして
舟だまりに足をかけたように
動かない石の舟の渡し板の石の
橋作りの上で
きらきら伝って流れる
鴨々川という川の
酔人よ。ヘイ、カモンカモン
あんたのことも世間話も
ねえ、女よあんたのおっぱいも尻も
どこかに置いて来た心も
ひとり以上のひとりになって
神経の花火が水をくぐって又
浮き上って流されて行く
男の性欲が自然に迎えた水泡の
セックスの快感とはこんなもの
もう、ほら、向うに行ってしまった
90mの津波を見たことがあるかい
板切れの箱は幾度もこわれて
魚体をこすりつけたように
ウロコを光らせてくさい
それで作った聖像板木は寝室の海を漂うさ
幾度でも狂う夢の囲い
棺の舟、水脈を招来せず
砂と岩の頂きの舟形のまま
アルカディノアって読むの?
スゥソォピンハとソンミョウハイシは
皿の上でそっくりだ
見事な中華だが妙だね