農場(部分) 1/4

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農場(部分)


   畝


何だ、ここに居たんだ、大人しく揃って
どこから来たか知ってるよね、予言者の
居ないところから? 居ないところでは呼びかけることができる
捜すつもりもないけど、忘れないためには
もっと忘れることさ
葡萄とオリーブの階段は平たく、単なる石積みだったんだろうか
モントログイの土地がうねって、農場の畝に
続いている。農場の垣根の方へ
もう一度言うけど、少しも捜すつもりはなかった
何度も、視覚的に発見されていたからね
次の偶然性が出かけて行ったとすれば
男に出会ったのは余命だろうか
それとも死だろうか
ジョアン・ミロが描いたことは良く知られて
いる、残余はよく解らない
今は、色数といい、使われた塗料の量といい、ペンキ屋でなければ
できない仕事に属している
しかも実にあいまいな素材の表を覆って
キャンパスでも板でも土壁でもないということだが
その巨大さから思い付く看板絵からも
絶えず逸脱している
それは本当に絵なんだろうか
中央には図案化されたユーカリの木
右の鶏小屋には壁がなく内部が外にある
土のかさぶたでできた
左の母屋には向う側がない
水車を廻す馬は止っている。洗濯する女は止っている。ほえる犬は
止っている
赤い地面をはうトカゲとカタツムリは動かない
羊は木箱に登って静止した。4匹のウサギはポーズを取ったまま
オンドリは手品師の砂箱の上に。ハトは黄色い四角の端に
太陽か満月か、青黒い空の丸は。地上の車輪やバケツやじょろと同
じ位置を保っている
詰め込まれた世界を、捜すつもりもないけど